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訪日客が「迷宮」と呼ぶ梅田地下街 攻略のゲームアプリ登場か…本日も〝遭難者〟が続出

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 迷路のように複雑に入り組んだ大阪・梅田の広大な地下街。インターネット上では、地下迷宮を意味する「梅田ダンジョン」や「世界有数の都市型迷路」と称され、注目を集めている。地図を片手に右往左往する外国人旅行者が続出し、日本人観光客でも〝遭難〟してしまうケースが多発しているという。なぜこれほどまでに複雑な構造になったのか。そしてネット上ではついに、迷宮を抜け出す攻略をめぐってゲームアプリの開発につながる動きも出てきたようで…。(田中俊之)

地下街で〝迷子〟になるインバウンド

 大勢の観光客や買い物客らでにぎわう大阪・梅田の地下街「ホワイティうめだ」で今秋、観光に訪れていた韓国人の若い男女4人が地図を広げて立ち尽くしていた。

 事情を尋ねると、天王寺駅から梅田のヨドバシカメラを目指して地下鉄で東梅田駅まで来たが、その先の行き方が分からないという。一度、地上から行こうと屋外に出たが、通行人から地下から行った方が早いと告げられ、再び地下に。結局〝迷子〟になってしまったらしい。

 韓国人の男性(21)は「あっちだこっちだと議論になって、彼女たちが怒って困っていた」と苦笑い。記者が目的地まで付き添って案内すると、男性は「この複雑なつくりは技術力のある日本らしい。それにしても日本人はよくこんな地下街をスムーズに移動できるね」と驚いていた。

 梅田は大阪観光の玄関口だけあって大勢の観光客が訪れるが、初めて来た観光客にとって複雑な構造の地下街は非常に難解だ。特に、この韓国人グループのような外国人は日本語にも不慣れなため、地下街で道に迷う姿が目立っている。

地下案内花盛り

 梅田周辺では、地下街で〝迷子〟になる外国人観光客を手助けする活動が広がっている。

 地元の商店街組合などで構成するキタ歓楽街環境浄化推進協議会が平成25年から実施する「梅田まち案内エスコート」。道に迷っている観光客らに声を掛け、目的地まで案内する取り組みだ。

 同協議会によると、外国人観光客を案内する割合が年々増えている。9月のシルバーウイーク初日に実施した際は、案内した約250件のうち2割が外国人で、これまで多いときは4割に上った。そのため、今夏は外国語専門学校の学生も授業の一環として活動に参加したという。

 同協議会副会長で貸しビル業を営む難波啓祐さん(45)は「観光客に大阪で楽しい時間を過ごしてもらえるよう、大阪人が持つおせっかいの力を発揮している」と話す。

インターネットでネタに

 梅田の地下街で道に迷うのは外国人に限ったことではない。短文投稿サイト「ツイッター」では連日のように日本人の〝遭難者〟からの投稿が相次ぐ。

 「梅田駅到着!どこから出たらいいのか全くわからない!」

 「梅田ダンジョンは難易度高過ぎる」

 「早速梅田ダンジョン攻略ができず…」

 インターネット上では、その複雑さをネタにするサイトまで登場した。さまざまな事柄をユーモアにつづった百科事典サイト「アンサイクロペディア」では、梅田の地下街を「世界有数の都市型迷路」と評し、ケーススタディーとしていくつかの迷いやすいルートを解説している。

 例えば、阪急梅田駅からジュンク堂大阪本店。乗るエスカレーターによって降りる場所が変わるため「まず駅を出る際に2階改札から出るか3階改札から出るかが問題となる」と指摘。その後のルートが何通りもあることを説明し、「どの選択肢も見通しがきかないので一度迷ったら本当の『迷宮入り』になってしまう」と紹介している。

 また、ネット上では、梅田駅や新宿駅、渋谷駅を例に、国内で最も難解な駅はどこか、といった論争も勃発。こうした話題性に目を付け、駅構内を再現した謎解きRPG(ロールプレーイングゲーム)アプリを制作した個人の開発者まで現れた。アプリは現在、新宿駅と渋谷駅の2バージョンがリリースされており、「第3弾は梅田で決まり」「梅田はラストダンジョン」と梅田版登場への期待が高まっている。

訪問者を惑わせる斜め交差に2層構造…

 梅田の地下街が人を迷わせるのは、主に次のような理由が挙げられる。

 (1)地下道が碁盤目状でないため、交差点が直角ではなく斜めになっている地点が多い

 (2)傾斜した地形のため、同じ地下1階でも数メートルの高低差が生じる場所がある

 (3)地下1階と地下2階の2層構造になっている

 こうした理由から、移動しているうちに方向感覚を狂わされたり、何階にいるのか分からなくなったりしてしまう。

 そもそも、なぜこのように複雑な構造になってしまったのか。梅田の地下街は、昭和17年にJR大阪駅南側に地下道ができて以降、後発の地下街やビルが次々と連結して拡大。傾斜した地形で同じ地下1階でも平行に連絡できない場所があったほか、地上の道に沿って地下道も斜めになってしまった。さらに、地下街や地上のビルが別会社だったことも災いし、不完全な案内図も多かった。

 この分かりにくさを解消しようと、鉄道会社や地下街管理会社などは平成以降、案内表示の統一や共通マップの作成を進めた。平成21年からは鉄道会社などが協力して訪日外国人向けに多言語に対応したマップを作成し、駅や案内所で配布している。

 ただ、ある案内所のスタッフは「地図を読むのが得意な人でも、地下街には地図のように平らではなく階段を上り下りしないといけない場所もある。途中で迷ってしまうのも無理はない」と打ち明ける。

攻略する術、有識者は…

 「地上のように遠くが見渡せないため、頭の中で位置関係のイメージをつくりにくい」。方向音痴などについて認知科学の観点から研究している成城大の新垣紀子教授(心理社会学)は、地下街の難しさをこう分析する。

 地上であれば高いビルや山、太陽など自分の向きや位置を確かめる大きな手がかりがあるが、地下街では個々のランドマークを通り過ぎるだけで現在地を見失いやすいという。

 さらに「人間は曲がり角を直角に近い角度で捉えてしまう傾向にある」ため、斜めの交差点が多い梅田のような地下街は「特に方角や距離感のイメージをつかみにくい」というのだ。

 その上で「地図と自分の居場所を正確に対応させずに移動すると迷いやすい。紙の地図だけでなく、GPS機能のあるスマートフォンも活用して、方角や位置を正しく把握することが大切」とアドバイスした。

 梅田周辺にはJR、阪急、阪神など異なる6つの駅が乗り入れているほか、大きな百貨店やショッピングモールも立ち並び、これらがすべて地下で連結している。地下街をマスターすれば、暑い日や雨の日でも快適に移動でき、ショッピングや観光をスムーズに進めることが可能だ。

 外国人観光客のような初心者に瞬時に理解してもらう〝魔法〟はないが、時間に余裕がある人は、目的地までの道のりもRPG感覚で楽しんでみてはどうだろうか。

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