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種の起源で知られている高名な自然科学者、チャールズ・ダーウィンは、生物界のオスは交配の相手を見つけるため、熾烈な種の存続競争に打ち勝つため、中には複数で変異形の性をもつように進化してきたものがいると言った。
事実一部の生物は、性差を越えてライバルを欺き、自らの種を存続させる戦略をとるものもいる。
かつて、映画『ジェラシック・パーク』の中でジェフ・ゴールドブラムが語った、「生命は必ず生きる道を見つける」ということを身をもって証明している10の生物たちを紹介しよう。
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成長の過程で一時的に、異性の特徴を真似る生き物はいる。だが、ヨーロッパチュウヒタカ科チュウヒ属に分類されるヨーロッパチュウヒのオスは、その40%もメスのように見える羽を見せびらかして一生を生きる。
このオスは、縄張りをもつ普通のオスよりも30%も体が小さくて軽く、そのメスのような外見をうまく利用して本物のメスと仲良くなる。鳥類学者は、こうした擬態が必ずしも彼らの交配の成功につながるかはわからないという。
メスのように見えるオスは、体の大きなオスに襲われにくいし、互いに争うこともあまりない。唯一見せる攻撃的な行動は、メスに対するときだけで、これは巣を守る本物のメスから学んだ行動かもしれない。つまり、こうしたトランスジェンダー的な進化の大きなメリットは、大きなオスとの争いを避け、簡単にメスと仲良くなるということだろう。
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この魚のオスには、「保護オス」、「メス擬態オス」、「スニーカー」の3種類がいる。保護オスは、巣を作ってメスが来るのを待ち、子供の世話をするごく普通のオス。
メス擬態オスは、メスのような行動をとり、メスに似た魅力的な体を見せびらかすため、オスに追い払われることがない。メスが交尾をしているところに、ちゃっかり自分の精子をまき散らして、保護オスの精子と混ぜてしまう。
スニーカーは、一番体が小さく、稚魚のようなふりをして交尾しているメスの体の下を泳ぎ、ちゃっかり自分の精子を紛れ込ませるという。
保護オスの精子は一番量が少ないが、受精率はもっとも高い。しかし、受精できるまで7年かかる。スニーカーやメス擬態オスは、2歳で受精が可能だが、そのチャンスは少ない。この受精のチャンスと年齢の間の反比例的な関係のせいで、3種のオスたちが子孫を残す確率は公平になっている。
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アジアやアフリカで見られるこの尾の長い霊長類は、一匹のオスが群れを支配して生活している。そのほかのオスは大人になると群れを追われ、メスは群れの中で母親たちと一生暮らす。しかし、ある時期になると、生殖可能なメスのサインを擬態してお尻のまわりが赤く膨れてくるオスがいる。オリーブコロブスは、大人になるとこのサインは消えてしまうが、レッドコロブスはこれがずっと続く。
この戦略は、交尾のときに支配的なオスを惑わせたり、はぐらかしたりするものではなく、オスを落ち着かせるために使われる。支配的なオスはこうした擬態に騙されてオスをメスと混同することはないが、相手がオスでも従順な態度を示せば攻撃してこない。こうした服従行動は、ほかの旧世界のサルの間でも社会的な挨拶として使われている。
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全身に占める脳のサイズが無脊椎動物の中で最も大きいと言われているコウイカは、高度に発達した目で暗闇でも捕食者を避けることができる。ほかのイカやタコのような頭足動物と同じように、このコウイカもカモフラージュの天才で、まわりの色に合わせて瞬時に自分の体の色を連続して変えることができる。皮膚は滑らかだが、細かい筋肉がついていて、岩や海藻などの形を真似することができる。
オスはメスよりも圧倒的に数が多く、その割合は11対1。よって小さな個体はどうしても不利になる。この問題を克服するために、体の小さなオスは、メスの体の目立たない色合いを真似て、大きいオスのテリトリーにこっそり忍び込む。オスは交尾すると、多くは死んでしまう。
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ワキモンユタトカゲの仲間であるこのトカゲのオスには、オレンジ、ブルー、イエローという喉の色と行動の違いによって3つの変種がある。
オレンジは、一番上の階層にいて支配的でサイズも大きく、多くのメスを従える。
次の階層にいるのがブルーで、イエローのオスからメスを守るが、オレンジが現われると大急ぎで逃げていく。オレンジよりも体は小さいが、互いに団結して身を守るため、数は多い。テストステロン(オスのホルモン)が少ないため、メスと近しい関係を築く。
一番下の階級にいるのがイエローで、この色はメスによく似ている。そのため、オレンジのオスを出し抜いて、まんまとメスと交配することができる。つまり、オレンジ>ブルー>イエロー>オレンジというジャンケン式の生殖構図ができあがる。このため、3種のオスとも生き残ることができるというわけだ。
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ブチハイエナは、オスとメスをとても間違えやすい。体の大きさもほぼ同じだし、オスもメスも男性の生殖器を持っているからだ。メスの"陰茎 "は、群れの顔なじみの仲間に会うと勃起までするという。
しかし、これはあくまでも見せかけだ。メスの陰茎は実際は陰核が長くなったもので、排尿や交尾、出産のときに使われる。またメスの"睾丸"は脂肪組織の詰まった嚢なだけだ。
ブチハイエナの社会では、メスが主導権を握っているので、たいてい体が小さいオスがいつもメスの前で頭を下げているように見える。メスの生殖器はすべて体内にあり、発情期になると例の長い陰核を体内にひっこめて、一時的な膣を作り、オスを受け入れる体勢をとる。妊娠中はお腹の子どもにオスホルモンであるアンドロゲンを大量に送り込む。これは、メスであってもオス並の攻撃性をもたなくてはならない場合がある、ブチハイエナならではの社会事情があるからではないかと言われている。
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カリフォルニアからアラスカにかけて生息しているガマアンコウ目のこの魚は、メスを惹きつけるため騒音を出すことで知られている。
発声器は吹き袋で、詰め込み過ぎた洗濯機をかけっぱなしにしたような「ブーン、ブーン」という音を発するのだ。発声器は浮袋である。この音がかなり大きく付近の人間住民の安眠を妨害することでも知られている。これはオスがメスを惹きつけるために、互いに競って音を出そうとしてそれがエスカレートしているためだ。大きい音をだせる者ほどモテるのだ。
どんな音かって?こんな音だ。
"Singing" Fish Hums, Chirps To Attract Mates | Video
動画は単体だしそこまで切迫していないためか音量も小さ目だが、これが多数で競うように鳴かれたらタマラない。特に夏の間はすごいという。実際に、シアトルの人たちは夜中にこの音で目覚め、カリフォルニアの人たちは互いの話声も聞こえないほどだという。また、ブンブンいう音は、オスが自分の縄張りを守ろうとするときにも発せられる。
このアンコウのオスには2種類いる。まず、メスを惹きつけようと騒音をたてる正統派のオス。そして自らは音を立てずに、騒音を出すオスの巣にこっそりと入り込んで、ちゃっかり卵を受精させる間男タイプの小型のオスである。
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動物界では、ホモセクシャルとバイセクシャルはよく報告されている。こうしたトランスジェンダーはほかの鳥では観察されるが、これまでニュージーランドの固有種、 ニュージーランドミツスイの報告例はなかった。
オスは黒い羽をもち、メスは片側の頬に白い縞が入っているが、この種にも両方の特徴をもっている個体がいることが最近の調査で判明した。要するにオスでもありメスでもあるということだ。DNA的にメスとして生まれてもオスの行動をとる。このミツスイは花から花へ飛ばずに、縄張りを守るかのように攻撃的に飛ぶ。ただしこの鳥の繁殖期に観察される性的嗜好についてはまだよくわかっていない。
この雌雄の混在は、ホルモンバランスの不均衡が原因だという人もいれば、トラウマや毛の生え変わりの途中という原因を除外できないとする生物学者もいる。理由がなんであれ、この珍しい鳥の存在は、特筆すべきことだ。
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ディズニーのアニメ映画『ファインディング・ニモ』で一躍有名となった、鮮やかなオレンジと白の模様のこの魚は、想像以上に厳しい上下関係の社会に生きている。群れは繁殖できるメスに支配されていて、その下にオスがいる。群れの残りは何年も繁殖しない。クマノミは生まれたときは雌雄にわかれておらず、のちにすべてがオスになる。
クマノミの階級制度は厳しく、下位のオスは体の大きさも上のメスの80%程度にすぎず、群れから追い出されることもある。上位のメスが死ぬと、従順だったオスが空席になったそのポジションに上がり、なんとオスからメスへ性を変える。群れの残りもワンランク上がり、それに伴って体のサイズも大きくなる。
こうした進化的な特徴は、食料の入手とはなんの関係もなく、むしろ群れの中の調和を維持するためのものである。
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性的な擬態は、動物界では普通にある。異性の行動を真似たり、身体的な特徴を似せたりするものがあるが、このガータースネークは前者だ。
このヘビは冬眠する種で、ひとつの巣穴に8000ものヘビたちが折り重なって眠る悪夢のような状況が発生する。冬ごもり明けには、交配の相手を求めて熾烈な競争が始まり、1匹のメスにたくさんのオスが群がることもある。
その中で、メスのフェロモンを出して、メスに近づこうとするオスのヘビが現われる。このヘビは大勢のオスが群がる混乱をひとり切り抜けて、抜け駆けでメスを獲得しようとするのだ。繁殖の目的は別として、こうした群がりは、天敵につかまるチャンスを減らし、暖をとるためともいわれている。
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toptenz・translated konohazuku / edited by parumo
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