既に発表された7か国の2016年リオデジャネイロオリンピックのユニフォームを見ながら考察する
いよいよ今年、あと100日もしないうちにブラジル、リオデジャネイロでオリンピックが始まる。そろそろ各国が自国のチームのユニフォームをお披露目し始めるときだ。
すでにオーストラリア、カナダ、韓国、アメリカなどいくつかの国が発表済みだ。国によっては著名デザイナーによる最先端なデザインを起用しているが、国によってはいまいちパッとしない従来のブレザー型の亜種となっている。どうしてこれほどまでに差がつくのか?発表になった各国別ユニフォームと照らし合わせながら、海外サイトの考察を見ていくことにしよう。 今はスポーツとレジャーの境界線のグレーゾーンがとてももてはやされている。この「アスレジャー」なるトレンドはすでに一般的で、メリアム・ウェブスターの辞典にも、この新語はちゃんと載っている。これは運動競技(athletics)と余暇(leisure)を組み合わせた英語の造語で、スポーツウェアが普段着として浸透し、女性向けを中心に需要が大きく伸びている現象を示す。
オリンピックの開会式と閉会式は、世界でもっとも注目度の高いファッションショーのステージだ。今年も一部の国は競いあうように、ラルフ・ローレン、ステラ・マッカートニー、ディースクエアードなど著名なデザイナーたちに、自国のユニフォームを作らせている。
だが多くの国がいまだに、アスリートたちにおもしろみのないブレザーといった、セミフォーマルな装いをさせている。それはなぜなのか?
各国のオリンピック委員会の制約の違いによるもの
デザイナーたちにとって、国を代表するこうしたユニフォームを作るのは容易なことではない。その国の特徴がわかるものでなくてはいけないし、オリンピック委員会の出す条件すべてをクリアしなければならない。
オリンピック委員会の制約がきつい国のデザイナーが保守的なものに偏ってしまうのも無理もない。あまりにくだけすぎた服は、国全体の威信をかけたこうした大会の代表服としては受け入れられないのだ。制約のきつい国では、従来のデザインと踏襲し、そこに毛が生えたようなアレンジをすることしかできないのだ。
そういった意味も含めて、既に発表された2016年のユニフォームを見ていくことにしよう。
オーストラリア
オーストラリアの開会式ユニフォームは、大きなゴールドのボタンとダークグリーンのパイピング(淵の装飾)のついた白とグリーンのストライプブレザーに、白いスカートか半ズボン。これに女性ならネッカチーフ、男性はタイをつける。
思い切り80年代のプレッピー風デザインで、オーストラリアチーム全員が、航空機か船舶のクルーのように見える。雑誌『GQ』では、あまりにも標準仕様すぎるヨットクルーのようだと評した。確かに時代遅れで、現代のスタイルとはちょっとかけ離れている。GQによると、オーストラリアチームのユニフォームは、1924年のパリ大会からのものをベースにしているということだが、未来へ向かわず過去に後退してしまった感は否めない。
韓国
韓国のユニフォームは、白の縁取りとボタンのコントラストが目立つネイビーのブレザーと白のパンツ。色やバランスは悪くないが、スポーツの競技会というよりカントリークラブのブランチの装いのようであると評されていた。だが、見かけはアレだがこのユニフォームは最も革新的で、ブラジルで流行しているジカ熱対策のために、蚊を寄せつけない防虫剤が服にしみこませてあるという。
アメリカ
アメリカチームは、ポロ・ラルフローレンの赤、白、ブルーのボタンシャツに白の半ズボン、ベルトとタイというスタイルだが、大健闘とは言い難い。これは何十年も続いているポロ路線を踏襲したもの。
カナダ
これまでのところ、カナダチームのユニフォームが一番かっこいいと評されている。ディースクエアードを率いるカナダのファッションデザイナー、ダンとディーン・ケイティン兄弟がデザインし、カナダの大手デパート、ハドソンベイが製作した。
ウィンドブレーカー素材の赤いブレザーに、スリムで長めの白いTシャツ、それに裾に向かって細くなるテーラードラインの黒いスウェットパンツ。ブレザーはちょっと凝りすぎだが、垢抜けていて、スポーティで、実際にアスリートが着たくなるようなユニフォームだ。今日のファッションにぴったり合っている。
フランス
ラコステによるシンプルかつ機能的なユニフォーム。
イギリス
イギリスは前回のロンドン五輪に引き続きステラ・マッカートニー(Stella McCartney)がデザインを担当し、アディダス(adidas)が協業した。ユニオンフラッグを象徴するレッド、ブルー、ホワイトを基調に、英国紋章をデザインに取り入れ、4つの構成国を表現した。
スウェーデン
スウェーデンは2014年のソチ冬季五輪と同じく「H&M」が開会式、 閉会式、競技間の練習着のデザインを担当した。また、リサイクルに力を入れており、多くの素材がリサイクル・ポリエステルなどのサステイナブル素材を使用しているのも特徴の一つだ。
via:qz・translated konohazuku / edited by parumo
ということで日本の2016年オリンピック用のユニフォームはまだ発表になっていないようだが、2012年のロンドンオリンピックの開会式のユニフォームはこれだった。
日の丸なので赤と白がイメージカラーとなるわけなのだが、さてどうなることやら。
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