【かげかくれ】
「白髪三千丈(はくはつさんぜんじょ~)」てな言葉があって、
何でもこの中国といぅところは大げさな表現のあるところですが、
あそこにも大きな噺がありますなぁ。
大変巨大な持ち主が、
どこにも合う相手がないので空しくこの空閨(くぅけぇ)を託(かこ)っておりますと、
ある地方に非常に大きぃ女性がおるちゅうことを聞ぃて訪ねて行た。
「あんた、大きぃそぉでんなぁ。わたいも大きおまんねん」
言ぅたかどぉか知らんけれども
「どぉです? もし、合うよぉなら一緒に暮らしたいもんやと思いますが」
「そぉでんなぁ、ほなまぁ縁のもんでっさかい、いっぺんお手合わせを願いましょか」
言ぅなりその女、股座(またぐら)へサッと手を突っ込むと、
そこから布団を引きずり出してきてそれへ敷(ひ)ぃて、
今度は掛け布団を出してきてそこへ置いて、
枕二つ取り出してきてポンポンと並べて
「さぁどぉぞ」
男、こらとても適(かな)わんちゅうんで自分の代物(しろもん)の影に隠れた。
ちゅうんですが、えらい噺があるもんで。
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