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Channel: 無理しないでボチボチ
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好き者の夫婦

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好き者の夫婦

昔は、男女七歳にして席を同じゅうせず、

なんてんで、

今のように男と女が肩を並べて歩くなんてことはありませんでしたが、

そんな中で、お祭りの時だけは、

男と女が並んで歩けたんだそうでございますが、

なかには助平なやつもおりまして、

女と肩を並べて歩くくらいじゃつまらない、

なんてんで、

その上の事を望みまして、

そういうやつは、

縁日なんかが出ている明るい所ってのは避けて、

神社の裏境内の薄暗がりの中で、

なんかないかと歩いていますと、

向こうに女の人影が写ります、

男が女にそっと近付くと、

女も男にそっと近付きます、

男が女の手をそっと握ると、

女も男の手をそっと握り返す、

こりゃもう間違い無いなんてんで、

そばの草むらかなんかで、こう子孫繁栄のために励んでおりますと、

やはり神社の境内で変な事されちゃいけないてんで、

お侍さんが提灯を提げて見回りにやってまいりまして、

草むらの中でなんかやってる二人を見つけまして、提灯を差し出しまして。

侍「これこれ、なんであるかその方どもは、かような所でその様な事をいたして、

  不届きであるぞ。」

男「いえ、あの、その私たちは別に怪しい者ではございませんで、

  私たちは、ふ、ふ、ふ、夫婦でございまして。」

侍「たわけた事を申せ、夫婦なら、

   そのようなことは、自分のうちでいたすがよかろう。」

男「いえ、それがお役人様、私どもも、お役人様の提灯で照らされるまでは、

  夫婦とは気が付きませんでした。」

 

 

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