ご注文品
肉屋の主人のヘンリいィ氏、ゆっくりとお風呂につかって一日の疲れを落していると、
かたわらの電話器が鳴った。
「もし、もし、ヘンリィ?わたし、ベネットよ。今晩逢いたいの。
ぜひいらしてね。え、今?そうなの、もう裸でベッドに入ってるの。
じゃ、すぐいらしてね」
楽しい期待に胸をワクワクさせながら、風呂からあがろうとしているところへ、
彼の妻が入ってきて、ヘンリィ氏を見ると、嬉しそうに叫んだ。
「まあ、あなた!今晩が楽しみだわ」
ヘンリィ氏、うっかり、
「ばか、これはご注文品だ。すぐ届けてこなければいけないんだよ」