
今月18日の任期満了で政界引退を表明している大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長(46)をめぐり、テレビ各局の動向に注目が集まっている。出演へ向け積極的な局がある一方、中央政界進出もささやかれる中、変わりやすい言動を含めて橋下氏本人の“身の振り方”を読みかねている局も少なくない。
「引退後のギャラは芸能人価格で」発言の意味は?
橋下氏のテレビ出演をめぐっては、大阪ダブル選投開票の翌23日の読売テレビ「朝生ワイド す・またん!」で、キャスターの辛坊治郎氏が新聞報道を引用しながら、「『そこまで言って委員会NP』に出てほしい」とラブコール。市長任期中もたびたび番組出演したテレビ大阪も「チャンスがあれば出演していただきたい」(編成幹部)と待望する。
一方で、26日の市長会見で「これだけテレビとケンカしている。腹立ってる人は多いと思いますよ」と認めるように、記者らとのバトルや維新の主張に反対するコメンテーターを事実上の“出演自粛”に追いやるなど一流の“メディア戦術”から、一定の距離を置く局があるのも事実だ。
橋下氏のテレビ復帰をめぐっては、5月の大阪市の都構想住民投票後の「政界引退宣言」を受け、在京の一部メディアで夏ごろ「東京のキー局が帯番組の出演準備をしている」「同氏が都内で住居を探している」との噂が流れたことがあった。その背景を含めて民放関係者が解説する。
「橋下氏は『引退後のギャラは芸能人価格で』と冗談っぽく言っていたが、報酬のカットなどで懐は潤沢でないはず。タレント時代は億単位を稼いでいただけに、在阪とはギャラが1桁違う東京のキー局を重視するのは当然。それに、引退後のセキュリティー面を考慮しても、手薄な大阪ではなく東京へ軸足を置こうと考えても不思議ではない。転居はさておき、出演は全国ネットで、政治色の薄いバラエティーやクイズが中心になるのではないだろうか」
天下を取りたいのは「政治」か「メディア」か
一方、バラエティーを担当する在阪民放プロデューサーからは、こんな本音も聞こえてくる。
「年末年始の特番に出てほしいと思っているのですが、引退後の橋下さんのポジションが全く読めないんですよ。プロレスラーの引退宣言のように言動も変わるので、どこまで信じていいのか。本当に分からないんです」
実は、この「読めない」「分からない」というのがテレビ界に限らず、橋下氏をめぐる多くの人の見方ではないだろうか。そんな中で、放送業界に詳しい影山貴彦・同志社女子大教授(メディアエンターテインメント論)による次の分析が興味深い。
「橋下氏は過去の経験や発言から、タレント活動や芸能界がいかに厳しいかをよく知っている。所属事務所(タイタンの太田光代)社長の考えに耳を傾け賢く振る舞うだろう。ただ、世間では『次の政治活動までタレントでつなぐ』というのが共通認識だが、果たしてそうだろうか。実は…」
「…実は、ご自身も確たる『次』を決め切っていないのではないか。天下を取りたい思いは伝わってくるが、それが本当に政治なのか。メディアが面白ければ、そちらで天下を取ることもありうる。とにかく流れに敏感な人。そういう面で彼に非常に興味を持っています」
「私人」になってもなお、橋下氏の動向からは目が離せない。
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